テレビCMの放映にかかる費用と予算内に収める5つのポイント
※2024年6月5日更新
テレビCMを出稿する際に、まず考えなくてはならないのが予算のことです。
テレビCMの内容や放映枠によって必要な予算は変わるため、テレビCMの出稿にかかる費用と目安となる相場について理解しておくことが欠かせません。
企業のマーケティング部門や広報部門の担当者のなかには「テレビCMの出稿にはどのような費用が発生するのか」「予算内に費用を収めるポイントはあるか」など調べている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、テレビCMの出稿にかかる費用の内訳や一般的な相場、予算内に収めるポイントについて解説します。
なお、テレビCMを制作する流れについてはこちらの記事で解説しています。
目次[非表示]
- 1.テレビCMに出稿にかかる2つの費用
- 2.テレビCMの費用相場
- 3.費用を抑えて予算内に収める5つのポイント
- 3.1.①スポットCMを購入する
- 3.2.②キー局ではなくローカル局を選ぶ
- 3.3.③ターゲット層にリーチしやすい時間帯を選ぶ
- 3.4.④タレントの出演料を抑える
- 3.5.⑤既存の素材を利用する
- 4.テレビCMの費用対効果を高めるには
- 5.まとめ
テレビCMに出稿にかかる2つの費用
テレビCMの出稿にかかる費用には、主に制作費と放映費の2つがあります。
制作費
制作費は、テレビCMの映像コンテンツを制作する際に発生する費用です。
▼制作費の内訳
- 企画費
- 出演料
- 撮影費
- 編集費 など
テレビCMでは、企業または商材の特徴や魅力を分かりやすく伝えて、視聴者の興味関心を惹きつける必要があります。
「どのようなターゲット層にアプローチを行いたいか」を踏まえて、映像コンテンツを制作する必要があります。ただし、起用するタレントや撮影場所、映像の構成などによって費用は変動します。
放映費
放映費は、テレビ局から放映枠を購入する際にかかる費用です。以下の複数の要素によって費用が変動します。
▼放映費の費用が変動する要素
- 番組・時間帯
- 放送エリア
- 期間内の放映本数
- テレビCMの種類・秒数 など
視聴率が高い番組や放送エリアでは、テレビCMをより多くの人に見てもらえる可能性があるため、放映費が高く設定されることが一般的です。また、地方のローカル局よりも都市圏のキー局では放映費が高くなります。
なお、テレビCMの出稿形態にはいくつかの種類があり、それぞれ放映できる秒数や放映枠が異なります。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。
テレビCMの費用相場
テレビCMの費用は、制作する映像コンテンツのクオリティや出稿する放送局などによって変動します。
制作費の費用相場
制作費には、撮影準備や編集のための直接的な費用だけでなく、広告代理店または広告制作会社への依頼費用が含まれます。
一般的な費用相場は、以下のとおりです。
▼制作費の相場
費用項目 |
費用相場 |
企画構成費 |
10~35万円前後 |
出演費 |
数百~数千万円前後 |
撮影費 |
10~80万円前後 |
編集費 |
15~40万円前後 |
有名なタレントを起用したり、屋外での大規模な撮影を行ったりする場合には、制作費が高くなる可能性があります。
放映費の費用相場
放映費は、テレビの放送局や地域によって大きな差があります。15秒間のCM枠でテレビCMを出稿する場合の費用相場は、以下のとおりです。
▼放映費の相場
テレビ局 |
費用相場 |
在京キー局 |
30~120万円 |
関東ローカル局 |
2.5~4万円 |
在阪準キー局 |
4~25万円 |
関西ローカル局 |
1.5~4.5万円 |
また、各テレビ局で定められるテレビCMの放映費は、テレビの視聴率に比例するように設定されています。視聴率1%当たりの放映費は“パーコスト”と呼ばれます。
▼同じ期間に全日を通してテレビCMを放映した場合のパーコスト
地域 |
パーコスト |
関東(東京放送/関東7県) |
66,300円 |
近畿(毎日放送/近畿6県) |
18,000円 |
北海道(北海道放送) |
5,000円 |
新潟(新潟放送) |
3,200円 |
熊本(熊本放送) |
1,569円 |
※全国テレビスポット参考見積/SBSプロモーション資料より
大都市圏の放送局はパーコストが高く、1県のみの放送や大都市圏を離れた放送局ではパーコストが低く設定されていることが特徴です。
また、いわゆる“ゴールデンタイム”と呼ばれる19〜22時は、テレビを見る人が増えやすいことからパーコストも高めに設定されます。一方、昼間はテレビを視聴する人が主婦(主夫)や高齢者に限定されやすいため、パーコストは低くなる傾向があります。
詳しい制作費と放映費は、広告代理店やテレビ局へお問い合わせください。
パーコストについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
費用を抑えて予算内に収める5つのポイント
予算内でテレビCMを効果的に運用するには、費用を抑えやすい制作方法や出稿方法を選択することがポイントです。
①スポットCMを購入する
スポットCMとは、テレビ番組を指定せずに任意の期間を定めてテレビCMを出稿する形態です。
テレビCMの代表的な出稿形態にはほかにも“タイムCM”がありますが、2クール(6ヶ月)での放映期間が設定されており、スポットCMより長くなります。
▼スポットCMとタイムCMの最低出稿期間
出稿形態 |
概要 |
最低出稿期間 |
スポットCM |
テレビCMを放映する期間と時間帯を指定して出稿する |
1週間 |
タイムCM |
特定番組のスポンサー企業がテレビCMの放映枠に出稿する |
2クール |
スポットCMであれば、タイムCMよりも短期間で放送枠を購入できるため、目的や効果に応じて出稿方法を柔軟に調整しやすくなります。
なお、スポットCMとタイムCMの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②キー局ではなくローカル局を選ぶ
テレビCMの放映費をできるだけ抑えるには、ローカル局を選ぶ方法があります。
テレビの放映費は、キー局・準キー局と呼ばれる全国ネットワーク系列の中心となる放送局よりも、ローカル局のほうが低く設定されています。
ただし、ローカル局ではテレビCMを放映できる地域が限定されるため、以下のケースに適しているといえます。
▼ローカル局での放映が適しているケース
- 特定の地域のみで展開する店舗への来店を促したい
- エリア限定のキャンペーンやイベントを地域住民に告知したい
- 事業所があるエリア付近で企業名をアプローチしたい など
③ターゲット層にリーチしやすい時間帯を選ぶ
ターゲット層にリーチしやすい時間帯に絞ってテレビCMを出稿することも重要といえます。平日・休日問わず全日を通してテレビCMを放映すると、不特定多数の視聴者へ情報発信を行えますが、放映費が高くなります。
放映費を抑えつつ費用対効果を高めるには、リーチしたいターゲット層の属性を踏まえて、テレビCMを見てもらいやすい時間帯を選定することがポイントです。
放映費は“タイムランク”と呼ばれる時間帯ごとに設定された視聴率のランクで区分されていることが一般的です。アルファベット順に視聴率が高くなる仕組みとなっています。
▼一般的なタイムランク(平日の場合)
時間帯 |
ランク |
0〜7時 |
C |
7〜10時 |
B |
10〜12時 |
C |
12〜13時 |
特B |
13〜18時 |
B |
18〜19時 |
特B |
19〜22時 |
A |
22〜23時 |
特B |
23〜24時 |
B |
タイムランクによるテレビCMの費用や放送時間の選定方法については、こちらの記事をご確認ください。
④タレントの出演料を抑える
テレビCMの制作費を削減するには、タレントの出演料を抑える方法があります。
有名なタレントを起用したり、長期間にわたって撮影を行ったりする場合には、出演料や人件費が増加しやすくなります。
▼タレントの出演料を抑える方法
- 出演料が安いタレントに依頼する
- タレントを起用せず写真・イラスト・アニメーションなどを活用する
- コマ数や撮影時間を削減してタレントの契約期間を短縮する など
ただし、タレントの代わりに自社の従業員や代表者の家族などを採用することは避けた方がよいといえます。
⑤既存の素材を利用する
テレビCMを制作する際に、既存の映像や写真などの素材を活用することも一つの方法です。
撮影に日数がかかるほど、撮影や編集を行うスタッフの人件費が発生します。既存の素材を活用して準備する機材の数や撮影時間を短縮することで、人件費の削減につながります。
▼テレビCMで活用できる素材
- 撮影場所を自社のオフィスや施設にする
- 写真や画像を自社で用意する
- フリーのイラストやBGMを使用する など
テレビCMの費用対効果を高めるには
テレビCMの費用対効果を高めるには、リーチしたいターゲット層へ効率的にアプローチできる出稿方法を選ぶことが重要です。
▼テレビCMの費用対効果を高めるポイント
- ターゲットの分析を行う
- テレビCMを出稿するエリア・日時を検討する
- 制作費用をかけすぎない
- テレビCMと連動した広告施策を展開する
- 定期的に効果測定を行ってPDCAを回す
テレビの視聴者層は、番組や曜日、時間帯などによって変わります。ターゲット層を分析して、視聴されやすい番組や放送エリア、出稿日時などを決めることで効率的にリーチ数を増やせます。
また、デジタル広告をはじめとするほかの広告施策と掛け合わせて運用すると、ターゲット層との新たな接点を獲得できる可能性も期待できます。
テレビCMを放映したあとは、どれくらいの反響が得られたか定期的に効果測定を行い、テレビCMの映像や出稿方法の改善につなげることも重要です。
なお、テレビCMの費用対効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、テレビCMの費用について以下の内容を解説しました。
- テレビCMの出稿にかかる費用
- テレビCMの費用相場
- 費用を抑えて予算内に収める5つのポイント
- 費用対効果を高めるための施策
テレビCMを出稿するには、大きく制作費と放映費の2つが発生します。制作する映像コンテンツの内容や放送局、出稿方法などによって費用は変動するため、事前に発生する費用を洗い出して予算を策定することが重要です。
また、テレビCMの出稿費用をできるだけ抑えるには、制作費がかかりにくい撮影・編集方法を選ぶとともに、ターゲット層へのリーチが期待できる出稿方法を選択することがポイントです。
費用対効果を高めるには、ターゲットの分析やほかの広告施策との併用、定期的な効果測定などを行うことも欠かせません。
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