テレビCMの基礎知識! 4つの効果と出稿形態の種類
テレビCMは、テレビを通して幅広い視聴者へ情報発信を行える広告媒体です。
広告市場においてはインターネット広告の規模が急速に拡大を見せていますが、テレビCMの信頼度は依然として高くなっており、宣伝活動やブランディングなどに有効とされています。
企業のマーケティング部門や広報部門の担当者のなかには、「テレビCMでどのような効果が期待できるのか」「どのような出稿形態があるのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、初めてのテレビCMを検討されている方に向けて、期待できる効果や出稿形態の種類などの基礎知識を紹介します。
目次[非表示]
- 1.テレビCMとインターネット広告の違い
- 2.テレビCMの4つの効果
- 2.1.➀認知度の向上
- 2.2.②信頼性の向上
- 2.3.③ブランドイメージの定着・向上
- 2.4.④売上の向上
- 3.テレビCMの種類
- 3.1.タイムCM
- 3.2.スポットCM
- 3.3.SAS(Smart Ad Sales)
- 4.まとめ
テレビCMとインターネット広告の違い
テレビCMとインターネット広告は、情報発信を行う経路やターゲティングの方法に違いがあります。
▼テレビCMとインターネット広告の違い
広告媒体 |
情報発信の経路 |
ターゲティングの方法 |
テレビCM |
テレビのみ |
特定のテレビ番組や時間帯別の視聴者層を広く設定する |
インターネット広告 |
インターネット上の検索エンジンやWebサイト |
ユーザーの属性やWeb上での行動履歴などを基に詳細に設定する |
テレビCMは、テレビを通して世代・性別を問わず幅広い視聴者層にアプローチを行える特徴があります。潜在層にも効率的にリーチすることが可能です。
一方のインターネット広告は、ターゲットに関する詳細な情報を設定して、狙った層に対して情報をピンポイントで届けられる特徴があります。
リーチできるターゲット層やターゲティングの精度などが異なるため、どちらか一方ではなく目的に応じて広告媒体を組み合わせることがポイントです。例えば、テレビCMで商材の知名度を高めてから、興味関心を持った層へインターネット広告で訴求するといった方法が考えられます。
なお、テレビCMの役割やインターネット広告との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
テレビCMの4つの効果
テレビCMは、認知度の向上やブランディングなどに有効といえます。企業が期待できる具体的な効果には、以下の4つが挙げられます。
➀認知度の向上
テレビは、全世代が視聴するメディアとなるため、企業名・商品名などを幅広い層に認知してもらえることが期待できます。
総務省の『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、全世代の70%以上が平日・休日ともにリアルタイムでテレビを視聴していることが報告されています。
▼【平日】主なメディアの行為者数(全年代)
画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
▼【休日】主なメディアの行為者数(全年代)
画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
年代・性別を問わず多くの人に視聴されるメディアで情報発信を行うと、自社を知らない潜在層に対してテレビCMを見てもらうきっかけとなり、認知度の向上を図れると期待できます。
出典:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
②信頼性の向上
テレビCMで配信した情報は、視聴者から信頼を得やすくなります。
テレビは、公共の電波を使って配信しているほか、一般社団法人 日本民間放送連盟が定める『民放連放送基準』を遵守することが求められるため、メディアとしての信頼度が高くなります。
総務省の『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、“世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得るために利用するメディア”として53.1%の人が「テレビ」と回答しており、インターネットを抜いてもっとも高くなっています。
▼目的別の利用メディア(全年代)
画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
信頼度が高いメディアで情報発信を行うことで、企業または商材について社会的な信用を得やすくなり、視聴者への影響力も高まると考えられます。
出典:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
③ブランドイメージの定着・向上
テレビCMは、ブランドイメージの定着・向上させるためにも役立ちます。
特定の番組や同じ時間帯でテレビCMを継続的に配信すると、企業または商材について強く印象づけられるようになり、ブランドイメージの定着化を図れます。
また、映像やアニメーションを使ってユニークな訴求を行ったり、信頼や好感のあるタレントを起用したりすることで、企業に対してよいイメージを持ってもらえる効果も期待できます。
タレントを起用する場合においては、契約期間内に競合他社のテレビCMに出演することは制限されるため、差別化を図るうえでも有効な施策といえます。
④売上の向上
売上の向上を図れることも、テレビCMに期待できる効果の一つです。
テレビCMでは、映像と音声を用いて視覚的に商材のプロモーションを行えます。テキストや画像だけの広告よりも注意を惹きやすく印象に残りやすいことから、視聴者の購買行動を促せます。
また、インパクトのあるテレビCMは、ふとしたきっかけで思い出してもらえる可能性があり、来店やWebサイトでの購入などにつながることも期待できます。
テレビCMの種類
テレビCMには、出稿形態の異なる主に3つの種類があります。それぞれ放送枠や尺、放送期間などが異なるため、目的・ターゲット層に応じて選定することがポイントです。
タイムCM
タイムCMは、テレビ番組のスポンサーとなって番組中のCM枠に広告を放映する形態です。テレビ番組の途中または前後において、企業名やロゴを表示したり、アナウンスを流したりすることが可能です。
一定期間の契約によって特定の番組でテレビCMを継続的に放映できるため、テレビ番組の視聴者層からの認知を拡大したい場合や、ブランドイメージの定着を図りたい場合などに有効といえます。
▼タイムCMの特徴
項目 |
概要 |
放送枠 |
特定の番組が放送される時間帯(途中・前後) |
尺 |
30秒・60秒・90秒 |
放送期間 |
2クール(6ヶ月間) |
なお、タイムCMには、全国の系列局で放映される“ネットタイムCM”と、テレビ局の放送エリア内のみで放映される“ローカルタイムCM”の2種類があります。
スポットCM
スポットCMは、番組を指定せずに特定の期間内でテレビCMを放映する形態です。
各テレビ局が販売する期間ごとのCM枠を購入することで、配信する曜日・時間帯・出稿本数などを指定してテレビCMを放映できます。
曜日・時間帯を基準にリーチしたい視聴者層を狙う場合のほか、期間限定のイベントやキャンペーンを告知したい場合などに活用することが可能です。
▼スポットCMの特徴
項目 |
概要 |
放送枠 |
次の番組との合間(SB:Station Break)
番組の放送時間内(PT:Participating commercial)
|
尺 |
15秒 |
放送期間 |
1週間~ |
なお、タイムCMとスポットCMの違いやメリットについては、こちらの記事をご確認ください。
SAS(Smart Ad Sales)
SAS(Smart Ad Sales)は、1本単位でテレビCMを放映できる形態です。
契約期間を定める必要がなく、番組・日時・本数などを指定して1日1本から放映することが可能なため、必要なタイミングで柔軟にテレビCMを運用できます。
▼SASの特徴
項目 |
概要 |
放送枠 |
個別に設定した番組または日時 |
尺 |
15秒 |
放送期間 |
1日~ |
狙った視聴者層へピンポイントでテレビCMを届けたい場合や、ほかの広告施策と組み合わせて予算を調整したい場合などに活用することが可能です。
なお、テレビCMの制作費・放映料の相場についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、テレビCMの基礎知識について以下の内容を解説しました。
- テレビCMとインターネット広告の違い
- テレビCMで期待できる4つの効果
- テレビCMの種類と特徴
テレビCMは、世代・性別を問わず幅広い視聴者層へリーチしやすいことから、認知度や信頼性の向上、ブランドイメージの定着・向上などを図るために有効な広告施策といえます。
出稿形態の種類によってそれぞれ放送枠や尺、放送期間などが異なるため、自社の目的・ターゲット層に応じて選定することがポイントです。
また、より効率的にターゲット層へアプローチを行うには、インターネット広告と組み合わせて、テレビCMではリーチできなかった層や興味関心を持った層へ情報発信を行うことも重要といえます。
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