テレビCMの作り方とは?魅力的なCM制作のコツをご紹介
一口にテレビCMと言っても、なんとなく印象に残らないものから、思わずCMソングを口ずさんでしまうようなものまでさまざまです。より魅力的なテレビCM、見た人の印象に残るテレビCMを作るためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
本記事では、魅力的なテレビCMを作るコツについて、詳しくご紹介します。
目次[非表示]
- 1.テレビCM制作の基本的な流れ
- 2.魅力的なテレビCMを作る6つのコツ
- 2.1.1.得たい効果を明確にする
- 2.2.2.ターゲットを絞り込む
- 2.3.3.伝えたいことを1つに絞り込む
- 2.4.4.プランを4つの型で決める
- 2.5.5.予算を考慮する
- 2.6.6.テレビCMのルールを把握する
- 3.思わず見てしまう!CM制作のためにできること
- 3.1.競合他社と差別化する
- 3.2.15〜30秒以内で伝える
- 3.3.「AIDA」を意識する
- 4.まとめ
テレビCM制作の基本的な流れ
テレビCM制作の流れを一覧にすると、以下のようになります。
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ブリーフィング(キックオフMTG・オリエンテーション)
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企画
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絵コンテ
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撮影準備・キャスティング
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CM撮影
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編集
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納品
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放送枠の決定(考査)
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放送
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効果測定
1〜10までの制作期間は、全工程を通して約2ヶ月かかります。ただし、この期間は実写で素材の撮影が必要な場合、アニメーションの場合などで変わります。詳しくは以下の記事でご紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。
魅力的なテレビCMを作る6つのコツ
では、魅力的なテレビCMを作るためにはどんなことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、6つのコツをご紹介します。
1.得たい効果を明確にする
まず一つめは、テレビCMを放映する目的、すなわちどのような効果を得たいかについてよく考えていきましょう。例えば、商品や企業の認知度を上げたい、消費者の購買行動を促進したい、商品や企業についてブランディングを行いたい、などです。
テレビCMといえば購買行動の促進と思われがちですが、テレビCMで得られる効果のうち、最も期待できるのは認知度や信頼度のアップです。テレビはマスメディアの一つであり、幅広い層に認知してもらうには効率的なメディアなため、ブランディングにも高い効果を発揮します。
2.ターゲットを絞り込む
魅力的なテレビCMを作る上では、放映する目的とターゲットを絞り込み、届けたい視聴者層に「刺さる」CMを作ることが重要です。
漫然と「誰かに届けばいい」というようにテレビCMを作ってしまうと、結局誰の印象にも残らない、ということになりかねません。
目的を決めた後は、どの層に最もアピールしたいのか考えましょう。
例えば、平日の昼間は働いているサラリーマン層にアピールしたいなら、平日の夜や土日にテレビCMを流すと見てもらいやすいでしょう。逆に、平日の昼間にテレビを見ている確率が高い主婦層や高齢者層にアピールしたいなら、平日の昼間に合わせてテレビCMを流すのが効果的です。
3.伝えたいことを1つに絞り込む
このテレビCMで何を伝えたいのかを1つに絞り込み、複数の主題が入り込まないよう注意しましょう。
2つ以上のことを盛り込んでしまうと軸がブレてしまい、かえって印象に残りにくくなってしまいます。
先述したどういった目的でターゲットにどう感じて欲しいのかを深掘りしておくと、伝えたい内容が出てきやすいでしょう。
台本をシナリオライターやコピーライターに依頼して作成しておくと全体を俯瞰して見れるため、伝えたいことがブレていないか、把握しやすくなります。その後の絵コンテもスムーズに進むでしょう。
4.プランを4つの型で決める
テレビCMのプランは、大まかに4つの種類に分類できます。
●商品直接型
宣伝したい商品やサービスをメインに据えて、商品やサービスの魅力、伝えたいメッセージなどを強調するタイプのCM。食品や日用雑貨などのCMでよく使われる。
●商品間接型
商品やサービスはあえて脇役でさらりと流し、全体をドラマ仕立てのストーリーにして、間接的に商品やサービスをアピールするタイプのCM。近年では携帯電話会社のCMが有名。
●理念直接型
企業が伝えたいメッセージを、直接ストーリー構成やテロップに込めるもの。AC(日本公共広告機構)などのCMが特徴的。
●理念間接型
一見すると何のCMかわからないほど、大胆にドラマ仕立てのストーリー展開をし、最終的に企業の伝えたい理念を間接的に伝えるというテレビCM。ブランディングによく使われる。
テレビCMの放映目的や、伝えたいターゲット層に合わせてプランを考慮しましょう。例えば、ブランディングが目的なら理念間接型、商品やサービスの購買意欲を促進したいなら商品直接型、ドラマが好きな若者世代なら商品間接型、などです。
5.予算を考慮する
そのテレビCMにどのくらい予算がかけられるか、それに応じて流すCMの長さや局、スポットCMかタイムCMかなどを考慮します。テレビCMには放映料と制作料がかかりますが、このうち「放映料」を決めるのがCMの長さや流す局、スポットCMかタイムCMか、などです。
一般に長さの長いCMほど、ローカル局よりもキー局ほど放映料がかかるため、予算を考慮しながら選ぶ必要があります。
6.テレビCMのルールを把握する
テレビCMには映像や音声の記録方式、セーフティゾーンなどさまざまなルールがあります。例えば、映像の記録方式ではアスペクト比(縦横比)や解像度について詳しく定められています。この比率や解像度を満たしていないと、そもそも搬入ができません。
音声の記録方式はさらに細かく分かれており、ステレオ・モノラル・サラウンドのそれぞれで規定があります。サラウンドとは言っても、テレビ放送においてドルビー方式などの付加装置が必要な技術を用いた手法は受けつけられません。
セーフティゾーンとは、アスペクト比がずれていたり、テレビ本体の大きさがアスペクト比と異なっていたりするために端が切れてしまうことを想定して、概ね切れずに表示できる範囲のことを言います。視聴者にできる限り伝えたいテロップなどがあれば、この範囲に入れておくのが良いでしょう。
このように、テレビCMには細かな搬入のルールがあります。詳しくは以下の記事でご紹介していますので、ぜひ合わせてご確認ください。
思わず見てしまう!CM制作のためにできること
思わず見てしまうテレビCMを作るためには、以下のことに注意しましょう。
競合他社と差別化する
テレビCMで流そうとしている商品・サービスの多くは、既に競合他社が存在します。そこで、競合他社のCMをよく分析し、差別化できるCMを考えると良いでしょう。
同じようなテレビCMを流してしまうと、先に流している競合他社が有利になってしまうため、新しい切り口のテレビCMを作る必要があります。
15〜30秒以内で伝える
一般的に、テレビCMの長さは15〜30秒です。短い間でどう伝えるかが工夫の見せどころでしょう。
商品やサービスのベネフィットを端的にわかりやすく伝えたり、企業理念を一つのストーリーとして見せたりと、15〜30秒の間を最大限に活かせる映像を作ることが重要です。
「AIDA」を意識する
広告で視聴者の興味を惹くためのマーケティングモデル「AIDA」を活用しましょう。AIDAとは、以下の4つの頭文字をとったものです。
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A……Attention:注意や認知をする
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I……Interest:興味や関心が沸く
- D……Desire:欲求が沸く、商品が欲しくなる
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A……Action:購入する
例えば、A(Attention)を引くためにインパクトを持たせる、I(Interest)を得るために共感できるようなストーリーにする、D(Desire)を呼び起こすために商品やサービスの価値をアピールする、などです。最後に、A(Action)につながるよう、ウェブ検索や電話番号などを入れるのも良いでしょう。
まとめ
魅力的なテレビCMを作るためには、基本的なルールや流れを把握しておくことはもちろん、その上で競合他社との差別化、ターゲティングの考え方などが重要です。15〜30秒という短い時間で伝えることは1つに絞り、4つの型のうちどれが最も訴求しやすいか考える必要があります。AIDAなどのマーケティングフレームワークも活用し、魅力的なテレビCMを作りましょう。