ブランディングに効果的なテレビCMとは?ポイントや成功事例も紹介
テレビCMといえば、商品やサービスのアピールをし、消費者に対して購買行動を促すものが一般的です。しかし、近年ではテレビCMを企業のブランディングに利用するのも効果的である、ということがわかってきました。
そもそもブランディングとはなんなのか、テレビCMがなぜブランディングに効果的なのか、詳しく見ていきましょう。
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目次[非表示]
- 1.そもそも"ブランディング"とは
- 2.テレビCMがなぜ、ブランディングに効果的なのか
- 2.1.信頼感・安心感につながる
- 2.2.企業の知名度・認知度がアップする
- 2.3.競合他社との差別化がはかれる
- 2.4.社員のモチベーションアップに
- 3.テレビCMをブランディングに使うポイント
- 4.テレビCMのブランディング成功事例
- 4.1.【BtoB】AGC株式会社
- 4.2.【BtoC】城本クリニック
- 5.まとめ
そもそも"ブランディング"とは
「ブランディング」とは、おおまかに言えば「企業により良いイメージをつけること」です。
例えば、好きなブランドの服ならずっと自分の好みだろう、たくさんの人に知られているブランドなら品質に問題はないだろう、というように、「ブランド」とはそもそも企業と顧客・社会との信頼関係でもあります。
競合他社にはない特長を持った製品やサービスを作りその良さや他社との違いを多くの人に知ってもらうこと、そのために宣伝・広告をして市場競争で優位に立つこと、販売経路や販売手法などの企業戦略、これらすべて含めて、マーケティングで作り出されるイメージがブランディングなのです。
「より良い製品やサービスのイメージ」「より良い企業イメージ」をつくり、たゆまぬ企業努力でそれを維持していくことが重要です。
ブランディングの中でも、「宣伝・広告」は非常に重要な意味を持ちます。消費者など顧客にとって、初めて商品やサービスに触れる機会のほとんどが宣伝や広告だからです。
つまり、顧客にとっての商品・サービス、ひいては企業に対する第一印象が宣伝・広告で決まると言っても過言ではありません。その点で、テレビCMはブランディングに効果的だと言えます。
次章では、その理由について見ていきましょう。
テレビCMがなぜ、ブランディングに効果的なのか
では、実際にテレビCMはなぜブランディングに効果的なのか、4つの理由から解説します。
信頼感・安心感につながる
インターネットが普及し、SNSや動画サイトを見る時間が増えたとはいえ、まだまだテレビの影響力は圧倒的です。
「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」というアンケート調査については、テレビが全年代で半数以上を占めており、テレビの信頼度はまだまだ強いことが伺えます。
ネット広告にも動画はありますし、テレビCMと比べると見た数、クリックした数なども解析しやすいので、広告からどのくらい購買につながったのかなどの効果測定がしやすく、予算も手頃だというメリットはあります。しかし、ネット広告は誰でも出稿できる手軽さの面から、年代を限らず企業の信頼度・安心感には貢献してくれません。
一方、テレビCMの場合は誰でも放送できるわけではありません。企業考査・業態考査という「その企業がきちんとした企業かどうか」をいう一定の基準をクリアしなくてはそもそもテレビCMを放映できないのです。
さらに、テレビCMはまとまったお金が必要なイメージが根強く、大企業が出すものというイメージを持つ人も少なくありません。
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つまり、テレビCMは他のメディアと比べて信頼度が高く、影響力も強いのです。この点がテレビCMを放映してブランディングするにあたって最大のメリットと言えるでしょう。
企業の知名度・認知度がアップする
多くの家庭でテレビは居間に設置され、家族で見ていることが多いです。ということは、テレビCMはネット広告や雑誌・新聞の広告と比べて、同時にさまざまな世代に見てもらいやすいと言えます。さらに、繰り返し流すことで、無意識的に視聴者の記憶に根付かせやすいというメリットもあります。
また、総務省の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、60代以上の高齢者では平日でも平均して4時間以上テレビを見ています。
ですから、特に高齢者向けにブランディングしたい場合、より多くの人に何回も見てもらえる可能性が高いテレビCMは、費用対効果が高いと言えるでしょう。
このように、多くの人に企業をまず知ってもらう、という意味でもテレビCMは大きな効果が期待できます。
競合他社との差別化がはかれる
テレビCMを流すとき、同じ番組を競合する会社が提供することは原則として禁じられています。
そのため、同じ番組から競合他社を排し、差別化をはかることが可能です。CMの内容が良ければ、競合他社に比べてより良いブランドイメージを作れるでしょう。さらに、番組の持つ世界観や、扱っている内容が視聴者に与えるイメージをそのまま企業・商品イメージに引き継ぐこともできます。
ただし、テレビCMの本数が多い番組などでは、番組の途中で提供会社を入れ替えるなどさまざまな調整を行い、競合他社のテレビCMを流す場合もありますので、注意が必要です。
社員のモチベーションアップに
テレビCMを流すことが、社内への働きかけや浸透(インターナル・ブランディング、インナー・モチベーション)につながる可能性もあります。
前述のように、ネット広告はテレビCMと比べて企業に対する信頼感や安心感にはつながりにくい傾向があります。
しかし、テレビCMを流せるだけの信頼感や安心感のある企業に勤めている、と思うことは社員自身のブランディングや帰属意識、モチベーションにつながります。友人や知り合いから「テレビCMを流していたね」と言われることもあるかもしれません。
テレビCMをブランディングに使うポイント
テレビCMをブランディングに使う場合、以下のようなことに注意が必要です。
- 企業や商品イメージに合ったCMを流す
- 注目されることではなく、顧客や社会に対する信頼度・イメージアップが目的
-
自社に望ましいブランディングの方向性をよく検討する
テレビCMはついインパクトやかっこよさ、オシャレさなどを優先してしまいがちですが、商品やサービス、企業イメージに合ったCMでなければ意味がありません。
目的は世間の注目を浴びることではなく、企業の信頼度を上げ、イメージアップであることを忘れないようにしましょう。そのためには、自社に望ましいブランディングの方向性について、最初に社内でよく検討することが重要です。
テレビCMのブランディング成功事例
これまでご紹介してきたように、テレビCMは企業考査・業態考査を得て放映していることで信頼感や安心感につながりやすいほか、知名度や認知度アップなどの効果も期待できることからブランディングに有効だと言えます。
最後に、テレビCMが効果的なブランディングに結びついた例として、企業の成功事例を2件ご紹介します。これからブランディングに向けてテレビCMを活用していこうと考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
【BtoB】AGC株式会社
2018年に旭硝子株式会社からAGC株式会社へ社名を変更したAGCは、日本・アジア、ヨーロッパ、アメリカなど30を超える国と地域で事業を展開しています。旧名称通りガラス製品が主力ですが、電子部品や化学工業なども幅広く手掛けていることから、これまでのガラスだけというイメージを払拭し、新しい社名を広く知ってもらう必要があったのです。
そこで、「未来を支えるソザイノベーション」「AではじまりCでおわる素材の会社はAGC」などのキャッチーなフレーズとともに、何をしている会社なのかをわかりやすく印象に残りやすいテレビCMで紹介しました。くすっと笑ってしまう内容なのも面白くて印象的ですよね。
こうして、BtoB企業でありながら一般消費者へのブランディングにも成功しています。
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【BtoC】城本クリニック
城本クリニックは、全国に25以上の分院を展開し、30年以上にわたって美容医療を施術しているクリニックです。美容外科・美容皮膚科としての知名度アップや信頼性向上を主な目的としてテレビCMを制作しました。
CM内容はシンプルに電話番号とクリニック名だけを連呼するものですが、3拍子の優雅なリズムが非常にキャッチーですよね。こちらのフレーズと音楽は聞いたことある方も多いのではないでしょうか?
ふかふかのカーペットをゴロゴロと転がる女性の映像も、美容外科のポジティブなイメージとぴったり合っています。使われている色はベージュや白、ピンクといった淡い配色で、美容外科の主要なターゲット層である女性にフォーカスしたものになっています。ターゲットを絞ったブランディングにより、的確なアプローチができている好例です。
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まとめ
ブランディングとは、企業や商品・サービスに良いイメージをつけることです。中でも宣伝・広告は顧客や社会への第一印象として重要な役割を持ちますので、信頼度・安心感の高いテレビCMを使うのは効果的と考えられます。自社に望ましいブランディングをよく検討し、テレビCMを流しましょう。