テレビCMを作るならアニメーション?メリット・デメリットと制作事例もご紹介
テレビCMといえば、ひと昔前は実写で作るのが当たり前でした。しかし、近年ではイラストなどを使ったアニメーションによるCMが非常に増えてきています。
ストーリー仕立てになっているアニメーションCMをつい見てしまった、という経験がある方も多いのではないでしょうか?
今回は、テレビCMをアニメーションで作ることには、どのようなメリット・デメリットがあるのか、実際にアニメーションを使って作られたテレビCMの事例を交えながらご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.なぜ今、テレビCMで「アニメーション」なのか
- 2.テレビCMをアニメーションで作るメリット
- 2.1.コストパフォーマンスに優れている
- 2.2.言語や環境を選ばない
- 2.3.実写では表現しにくいことも表現できる
- 2.4.ストーリーにしやすい
- 2.5.出演者のイメージに左右されない
- 2.6.アニメーションの価値の高まり
- 3.テレビCMをアニメーションで作るデメリット
- 3.1.リアリティが損なわれる
- 3.2.制作時間がかかる
- 4.アニメーション広告の種類
- 4.1.ライトアニメーション
- 4.2.インフォグラフィックスアニメーション
- 4.3.キャラクターアニメーション
- 4.4.3Dアニメーション
- 4.5.ハイクオリティアニメーション
- 5.アニメーションで作るのに向いているテレビCMとは?
- 6.アニメーション広告の事例
- 7.まとめ
なぜ今、テレビCMで「アニメーション」なのか
テレビCMを「流せば売れる」という時代はもはや遠くに過ぎ去りました。スマホが1人1台普及した現代では、スマホを操作しながらテレビを見るといった「ながら見」がよく見られます。
そんな中でテレビCMを見てもらうためには、より魅力的で思わず見てしまうテレビCMにするためのさまざまな企業努力が求められているのです。
そこで、アニメーションを使って思う通りの演出や表現をするというのが一つの手法として浮かび上がってきました。
実写にCGを組み合わせる技術なども発達してきてはいますが、イラストを基調としたアニメーションの自由度、コストパフォーマンスの良さにはまだまだ叶いません。そのため、コストと自由度を天秤にかけたとき、アニメーションという選択肢が選ばれることが増えてきているのです。
テレビCMをアニメーションで作るメリット
テレビCMをアニメーションで作成するメリットには、以下の6つがあります。
コストパフォーマンスに優れている
前述のように、アニメーションでテレビCMを作るとコスパが良いことは、大きなメリットの一つです。タレントの出演料やロケーション費用などのコストがかからないため、その分凝ったストーリーを考えたり、制作期間を長くとったりできます。
言語や環境を選ばない
アニメーションは、音がなくても伝わりやすいという特徴があります。そのため、言語や視聴環境を選ばず誰にでも伝わりやすいテレビCMを作ることができます。
特に、モバイル環境でテレビを見る場合、ミュート視聴することも多いでしょう。そんなとき、アニメーションと文字で情報を伝えられれば、ミュート視聴でも訴求力を維持できます。
実写では表現しにくいことも表現できる
例えば「過去」「未来」「動物の擬人化」「宇宙」「夢の中」「頭の中」など、想像したものをそのまま表現することができるのも、アニメーションの大きなメリットです。大掛かりな世界観も、圧倒的な演出もすべて思いのまま。自由度の高い表現を求めるなら、実写+CGよりもアニメーションの方が優れていると言えるでしょう。
ストーリーにしやすい
アニメーションはストーリーを作るのに向いています。前述のように、実写では表現しにくいことも自由に表現でき、実写と比べてシリーズ化もしやすいのもアニメーションの特徴です。
出演者のイメージに左右されない
アニメーションなら、原則として実際のタレントを起用するわけではありません。そのため、出演タレントが何らかの不祥事を起こしてしまい、テレビCMのイメージが悪くなってしまう、といったことがなく安心です。イメージ通りの世界観をずっと保つことができるのも、アニメーションの良いところと言えます。
アニメーションの価値の高まり
かつて、アニメーションは子どもや一部の熱狂的なファンのものであるというイメージがあったものの、現代ではそのイメージは払拭され、世界中でジャパニメーションの価値が高まっています。これは、日本のアニメーションのストーリーや演出の質が高いことが理由として挙げられます。子どもから大人まで、親しみやすい日本文化の一つと言えるでしょう。
テレビCMをアニメーションで作るデメリット
一方で、テレビCMをアニメーションで作ることにはデメリットも存在します。以下の2つの点には注意しましょう。
リアリティが損なわれる
商品やサービスもアニメーションで描き出すことで、どうしても現実味は薄れてしまいます。商品やサービスによっては、ブランドイメージと異なるものに仕上がってしまう可能性もあるでしょう。
制作時間がかかる
凝ったアニメーションを作成しようとすると、どうしても制作時間がかかります。アニメーションを作成するにもコストがかからないわけではなく、場合によっては演出や品質に凝りすぎると実写以上にコストがかかる可能性も考えられます。
アニメーション広告の種類
アニメーション広告には、大きく分けて以下の5つの種類があります。
ライトアニメーション
ライトアニメーションとは、漫画やイラストに簡単な動きをつけたものです。商品やサービスの説明だけでは訴求力が弱いと考えられるときに、ライトなアニメーションをつけると良いでしょう。また、ライトアニメーションの一種として、いわゆる「パラパラ漫画」の表現も使われます。ライトアニメーションは総じてコスパもよく、制作時間を短縮しやすいので、取り入れやすい手法です。
インフォグラフィックスアニメーション
言葉や数字にイラスト、チャート、グラフ、表、地図などを加えて表現したものがインフォグラフィックスアニメーションです。テキストだけでは情報が伝わりづらく、読んでもらいにくいというときに、より視聴者にわかりやすく伝えることができます。複雑な商品・サービスについて、活用方法などを紹介するときに使われます。
キャラクターアニメーション
キャラクターが中心になったアニメーションです。2Dが多いですが、後述する3Dのものもあります。キャラクターは既存のものを使っても、一から作っても良いのですが、キャラクターを確立することでシリーズ化したり、キャラクターを覚えてもらったりしやすくなります。
3Dアニメーション
3Dモデルなどが一般に普及してきた現代では、3Dアニメーションを採用するところもあります。実写と組み合わせたり、想像上の世界によりリアリティを持たせたりするために使われることもあります。
ハイクオリティアニメーション
劇場で流されるアニメ作品のような、演出や映像に凝ったアニメーションです。どうしてもコストがかかりますが、その分クオリティも非常に高いため、視聴者を世界観に引き込めるという大きなメリットがあります。
アニメーションで作るのに向いているテレビCMとは?
アニメーションCMに向いているテレビCM(商品やサービス)とは、以下のようなものです。
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若年層がターゲット
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新規顧客の獲得を目指し、多くの人に見てもらいたい
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実写で表現しづらいイメージを表現したい
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従来の実写のイメージを覆したい
- ドラマ性を演出したい
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アニメーションで新たなブランディングを行いたい
アニメーションは若い世代を中心に人気があり、まだまだ実写が多いテレビCMの中で目を惹きやすいでしょう。これまで実写で作ってきたイメージを覆したい、新たにブランディングを行いたいという場合にもおすすめです。
アニメーション広告の事例
実際にアニメーション広告を打ち出しているテレビCMの事例を、2つ見ていきましょう。
大成建設 ミャンマー篇
日本工業大学 データサイエンス学科「未来に置いていかれるなよ。」
まとめ
アニメーションを使ってテレビCMを作ることは、実写ではできなかったさまざまな演出や表現ができるということです。実写ではタレントなどを起用することでコストがかかったり、タレントのイメージでCMのイメージが左右されたりすることがありますが、アニメーションを使えばタレントを起用するコストがかからないほか、イメージが悪くなる心配もありません。一方、実写で商品を見てほしい場合にはアニメーションが向かないこともあります。
今回ご紹介した事例を参考に、よく検討してアニメーションを使いましょう。