テレビCMのナレーション原稿を作る際のポイントは?【サンプル原稿付き】
テレビCMの演出はさまざまで、ドラマ仕立てや歌などのほか、ナレーションがついているものもたくさんあります。テレビCMに入れるナレーションは、CMの内容をよりわかりやすくしたり、インパクトのあるフレーズで印象づけたりするためにつけられるもの。
では、ナレーション原稿はどのように作成すれば良いのでしょうか。本記事では、テレビCMのナレーション原稿の作り方と注意点、サンプル原稿をご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.テレビCMのナレーション原稿の基本
- 1.1.尺の長さから文字数を考える
- 1.2.情報を詰め込みすぎない
- 1.3.視聴者の注意を引く
- 1.3.1.AIDA(アイダ)とは
- 1.4.印象付けることを意識
- 2.テレビCMのナレーション原稿を作る際の注意点
- 2.1.CM内の情報を一致させる
- 2.2.聞き取りやすさを意識する
- 2.3.インパクトのあるフレーズを使う
- 2.4.読み方を考える
- 2.5.実際に声に出してみる
- 3.テレビCMのナレーション用サンプル原稿(15秒)
- 4.まとめ
テレビCMのナレーション原稿の基本
まずは、テレビCMのナレーション原稿の基本的な考え方について見ていきましょう。
尺の長さから文字数を考える
テレビCMの尺の長さの基本は、15秒と30秒です。それぞれ、話せる文字数はだいたい以下の通りとされています。
- 15秒・・・約60字
-
30秒・・・約120字
これらはあくまでも目安であり、絶対ではありません。CMによっては、早口言葉のようなナレーションを使って印象づけたり、少ない言葉を印象的に使ったりする方法もあります。一般的に、無理なく聞き取りやすい分量と速さでナレーションを読むことを考えたとき、上記の文字数が適しているということです。
情報を詰め込みすぎない
テレビCMの時間内で無理なく話せる文字数は上記の通りですが、ナレーションはやたらと詰め込めば良いというものではありません。60文字のところに90字くらい詰め込んだり、文字数が限られているからと情報を詰め込みすぎたりすると、かえって何も印象に残らないCMになってしまうこともありえます。
例えば、尺の長さでも触れたような早口言葉のCMは、一歩間違えば情報過多で視聴者を置いてきぼりにしてしまう危険性があります。視聴者が情報を処理できる量と、CM内容に興味を持ち、理解しながら最後まで見られるかどうかは、全くの別問題なのです。
テレビCMはある程度のコストとリソースを割いて作成するため、どうしてもあれもこれもと情報を詰め込みたくなってしまいます。しかし、あえて情報量を削ぎ落とすことでひと言を印象づけるなど、必要な情報をわかりやすく伝えることが非常に重要なのです。
視聴者の注意を引く
テレビCMのナレーションにおいて、必要な情報をわかりやすく伝えるためには「流れ」を意識して注意を引くこともやり方によっては可能です。
「流れ」を意識するための考え方として、マーケティングの「AIDA(アイダ)」をご紹介します。
AIDA(アイダ)とは
AIDAとは、「広告により消費者の注意を引き、購買行動を促進させる」マーケティングモデルです。
- Attention/Awareness(注意/自覚)・・・視聴者の注意を引き、CMに注目してもらう
- Interest(関心)・・・取り扱う商品、サービス、企業に関心を持ってもらう
- Desire(欲求)・・・視聴者の欲求と商品やサービス、企業のメリットをリンクさせる
-
Action(行動)・・・購入や申し込み、検索など行動に結びつけるための動線を示す
テレビCMについて言えば、冒頭で視聴者の注意を引き、CMを見てもらったところで商品やサービスへの関心を持たれるような展開をします。
関心の次は「使いたい」「試したい」といった欲求を喚起し、最後に購入や申し込み、検索など次の行動に結びつくよう、電話番号や検索ワードを表示して終わる、といった流れです。
印象付けることを意識
テレビCMではときに流行語が生まれるほど、印象的なキャッチコピーが多く見られます。商品やサービスの内容を端的に説明できるキャッチコピーを入れることで、より商品やサービスについて覚えやすくなるのです。
キャッチコピーは必ずしも深い意味がなくても構いません。印象づけることを意識し、口ずさみやすいフレーズを作るとよいでしょう。
テレビCMのナレーション原稿を作る際の注意点
テレビCMのナレーション原稿を作る際には、以下の5つのポイントに注意しましょう。
CM内の情報を一致させる
ナレーションで新しい情報を詰め込もうとすると、画面とナレーション両方に意識を向けなくてはならなくなってしまい、かえって印象に残りにくくなってしまいます。特にテロップなどはナレーションと一致させ、情報が多くなりすぎないよう注意しましょう。
聞き取りやすさを意識する
テレビCMは何よりも「聞き取りやすさ」が重要です。CMを見るときはたいてい意識が散漫な状態で、集中していません。そんな意識の中でもパッと聞き取れる、意味を理解できるように簡単な言葉を選びましょう。
例えば、「約」を「おおよそ」にするなど、音読みの言葉をできるだけ訓読みの言葉にするだけでもぱっと意味を理解しやすくなります。聞き取りやすさという観点では、一文を簡潔にすることも重要です。一文を短く区切ることで、意識していなくても理解しやすくしましょう。
インパクトのあるフレーズを使う
前述のキャッチコピーはもちろん、聞いてパッとわかる言葉を使いましょう。テレビCMが流れているときは、画面から目を離してしまう人も少なくありません。そこで、映像がなくても意味が伝わりやすいようなフレーズを心がけましょう。
読み方を考える
CMのターゲット層に合わせ、口調、スピード、間の取り方、アクセントなどを考慮しながらナレーションを考えましょう。例えば、感情に訴えかけるのか、淡々と説明するのかでもナレーションの使い方は変わってきます。ターゲット層の心に響くようなナレーション原稿を考えましょう。
実際に声に出してみる
実際に声に出してみることで、早口なナレーションになってしまうのを防ぎます。また、文字で読むのと実際に声に出すのとでは印象が全く違います。実際にテレビCMとして放映しているつもりで、声に出して読んでみましょう。
テレビCMのナレーション用サンプル原稿(15秒)
最後に、テレビCMのナレーション用サンプル原稿を2つご紹介します。ぜひ、ご参考にしてください。
採用系CM
採用系CMのナレーション原稿(15秒)の一例です。
人生を変える、最初の一歩。
踏み出す勇気が持てなくて、不安になることもある。
そんなときは、わたしたち「リクジョブ」へご相談ください。
60文字という文字数が意外と少ないことがわかるのではないでしょうか。
伝えたいこととキャッチフレーズを盛り込み、自然な形に整えるだけでも15秒のCMが完成します。
BtoB系CM
次は、BtoB系CMのナレーション原稿の一例です。
こんにちは、ワンダーです。
みなさんの、ちょっと便利な暮らしをお手伝いしています。
「おどろきを、あたりまえに」。ワンダーです。
BtoB企業の多くは、BtoC企業のようにわかりやすい商品、サービスを取り扱っているわけではありません。そのため、「何をしているのか知ってもらう」ことが重要です。
印象的なキャッチフレーズとともに、社名を繰り返して覚えてもらうのも有効なやり方です。
まとめ
テレビCMのナレーションは尺によっても異なり、だいたい15秒で60文字くらいが基本です。これ以上詰め込みすぎると早口になって聞き取りづらくなったり、情報を詰め込みすぎてかえって印象に残りにくくなったりしてしまいます。
テレビCMのナレーションでは聞き取りやすさやインパクトを重視するとともに、ターゲット層に合わせて読み方を変える必要もあります。今回ご紹介したサンプル原稿を参考に、より良いテレビCMのナレーション原稿を作りましょう 。