テレビCMが持つ3つの効果。視聴者への影響を知って効果を高めるには
テレビCMは、幅広い年代・性別の人にアプローチできる広告媒体の一つです。
インターネットを利用したデジタル広告市場が大幅な成長を見せる現在でも、テレビCMは安定した市場規模を維持しており、企業のPRやブランディングなどに広く活用されています。
▼日本における媒体別広告費の推移
画像引用元:総務省『令和5年版 情報通信白書』
企業のマーケティング部門や広報部門の担当者のなかには「テレビCMにはどのような効果があるのか」「広告の訴求効果を高める方法はないか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、テレビCMが持つ効果や視聴者に与える影響、広告効果を引き出すためのポイントについて解説します。
出典:総務省『令和5年版 情報通信白書』
目次[非表示]
- 1.テレビCMが持つ3つの効果
- 1.1.Speed UP
- 1.2.Scale UP
- 1.3.Interest UP
- 2.テレビCMが視聴者に与える影響
- 3.テレビCMの効果を引き出すポイント
- 4.まとめ
テレビCMが持つ3つの効果
テレビCMは、年代・性別を問わず幅広い視聴者へ効率的に情報発信を行える広告媒体といえます。インターネット広告や新聞、雑誌などの広告媒体と比較した際の効果として、次の3つが挙げられます。
Speed UP
Speed UPとは、一定量の視聴者に対する情報伝達の早さや速効性を指します。
内閣府がまとめた『消費動向調査』によると、2人以上の世帯におけるカラーテレビの普及率は2024年3月末時点で96%となっており、ほとんどの世帯でテレビが視聴されています。
また、総務省の『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、平日・休日ともに約70%の人がテレビをリアルタイムで視聴しており、インターネットの行為者率に次いで多くなっています。
▼【平日】主なメディアの行為者数(全年代)
画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
▼【休日】主なメディアの行為者数(全年代)
画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
インターネット広告で同等の人数に訴求しようとすると、テレビCMよりもはるかに時間がかかると考えられます。一方、テレビCMは全世代かつ多くの人が日常的に利用するメディアを介して広告を出稿することで、一定量の視聴者に短期間でリーチできる効果が期待できます。
出典:内閣府『消費動向調査』/総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
Scale UP
Scale UPとは、広範囲に情報を届けられることを意味します。
インターネット広告の場合では、ユーザーの属性や購買行動などを基に詳細なターゲティングを行い“個人”に対してアプローチを行います。
これに対してテレビCMでは、同じ部屋にいる家族や偶然ザッピングした人など、自社のターゲット層だけでなくその番組を視聴している人に幅広く情報発信を行えます。
また、家事をしたり、インターネットを利用したりしながらテレビを視聴する、いわゆる“ながら視聴”も行われやすいことから、メインとするターゲットの周辺層まで巻き込んだ訴求が可能です。
Interest UP
Interest UPは、視聴者の興味・関心を喚起することです。
インターネットを利用するユーザーの場合では、目的の情報を得るために能動的な行動をとっているケースが想定されるため、広告を見たとしてもスルーされてしまう可能性があります。
一方のテレビでは、「目的を持たずになんとなく見る」「世の中のできごとや動きを知る」といった受動的な状態となることから、広告に触れたときに拒否されにくいと考えられます。
テレビCMを継続的に流すことにより、商材のことを覚えてもらったり、興味関心を持ってもらったりする効果が期待できます。
テレビCMが視聴者に与える影響
テレビCMを利用して情報発信を行うことで、視聴者の認知や購買意欲に対してよい影響がはたらくと考えられます。
▼テレビCMによる視聴者への影響
- 認知の獲得
- ブランドイメージの形成・定着
- 購買意欲の促進 など
テレビCMを出稿すると、すばやく広範囲の視聴者に対して情報発信を行えます。短期間でより多くの人に企業名・商材名を認知してもらえる可能性が期待できます。
また、同じ番組内や時間帯にテレビCMを継続的に流すと、視聴者の印象に残りやすくなります。テレビCMのコンテンツを通して企業の理念や商材の世界観をうまく表現できれば、よいブランドイメージの形成・定着につながります。
さらにテレビCMでは、動画・アニメーション・音楽を使用したり、有名なタレントを起用したりして商材の魅力をアピールすることが可能です。画像やテキストだけの広告と比べて目を惹きやすく記憶に残りやすいことから、視聴者の購買意欲を刺激して来店やWebサイトの訪問などの行動を促せます。
テレビCMの効果を引き出すポイント
テレビCMが持つ効果を引き出すには、アプローチしたいターゲットを踏まえて制作するコンテンツの内容や放映枠を決定する必要があります。
➀目的・ターゲットに合ったテレビCMを制作する
テレビCMを制作する際は、目的・ターゲットを明確にすることが重要です。
目的・ターゲットが曖昧な場合には、どのような方向性で訴求するのか軸が定まらず、コンテンツ内で伝えるメッセージがぼやけたり、統一感のないストーリーになったりする可能性があります。
テレビCMを出稿する目的・ターゲットを明確にすることで、アピールするポイントや具体的な訴求方法などを決定できます。伝えたい内容を分かりやすく魅力的に発信できれば、認知の獲得や興味関心の喚起につながります。
▼テレビCMを出稿する目的
- 企業名・商品名の認知度向上
- 新商品の宣伝による売上の向上
- キャンペーンやイベントの告知
- ブランディング など
なお、テレビCMの制作・放映にかかる費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②ターゲット層にリーチしやすい放映枠を選ぶ
テレビCMを出稿する際は、より多くのターゲット層にリーチしやすい放映枠を選ぶことがポイントです。
テレビCMの放映枠は、出稿形態の種類によって異なります。ターゲット層が「いつ、どのような番組を視聴するのか」「どのエリアに住んでいるのか」などを想定して放映枠を選ぶ必要があります。
▼テレビCMの出稿形態
種類 |
概要 |
放映枠 |
タイムCM |
全国または各局で放送される特定番組のスポンサー企業が出稿するテレビCM |
特定番組の放送中 |
スポットCM |
各局が提供する曜日・時間帯を選定して一定期間で出稿するテレビCM |
指定した曜日・時間帯 |
SAS |
各局が提供する放映枠を1本単位で購入して出稿するテレビCM |
指定した番組・曜日・時間帯 |
番組の内容に合わせてテレビCMを出稿したい場合や、全国の放送エリアで大規模なプロモーションを行いたい場合には、タイムCMを活用できます。曜日や時間帯、エリアを選んで出稿したい場合は、スポットCMまたはSASが適しているといえます。
③ほかの広告媒体と組み合わせて運用する
テレビCMの効果を高めるには、ほかの広告媒体と組み合わせて運用することがポイントです。異なる広告媒体を組み合わせて情報発信を行うことで、テレビCMで接触できなかった層や興味関心を持った層へ効率的な訴求を行えます。
▼テレビCMと組み合わせて運用する広告媒体の例
- リスティング広告
- SNS広告
- 動画広告
- デジタルサイネージ広告 など
なお、動画広告やデジタルサイネージ広告については、こちらの記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、テレビCMの効果について以下の内容を解説しました。
- テレビCMが持つ効果
- テレビCMが視聴者に与える影響
- テレビCMの効果を引き出すポイント
テレビCMには、年代・性別を問わず、短期間で広範囲の視聴者層に情報発信を行える強みがあります。企業名・商材名の認知獲得をはじめ、ブランドイメージの形成・定着、購買意欲の促進を図るために有効な広告媒体といえます。
テレビCMが持つ効果を引き出すには、目的・ターゲットを明確にしてコンテンツを制作するとともに、ターゲット層とリーチしやすい放映枠を選ぶこと、複数の広告媒体と組み合わせて運用することがポイントです。
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