テレビCMは効果がないって本当?効果測定の方法も合わせて知ろう
テレビCMは効果がないとよく言われますが、本当に効果がないのでしょうか。
テレビCMの効果がないように見えるのは、効果測定の方法がうまくいっていないため、効果が見えづらいからだとする考え方があります。
本記事では、テレビCMには本当に効果がないのか、効果が出にくい理由や効果をきちんと把握できるような測定方法、新しい指標についてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.テレビCMは本当に効果がないの?
- 2.テレビCMの効果が出にくいと言われる4つの理由
- 2.1.定量的な効果測定がしにくい
- 2.2.制作コストがかかりすぎる
- 2.3.ターゲットとマッチしていない
- 2.4.CM内容に問題がある
- 3.効果が出にくいと言われるけどテレビCMを行う理由
- 4.現在主流の効果測定方法
- 5.その他の効果測定方法
- 6.新しい効果測定指標「PRP」とは
- 6.1.新取引指標「P+C7」とは
- 7.まとめ
テレビCMは本当に効果がないの?
テレビCMには効果がないとする意見が多いですが、それはWEB広告と比べてはっきりと数値的に効果が見えにくいためと考えられます。
現代は昔と比較して効果測定方法も発達し、効果測定ツールなどもでています。また、WEBと掛け合わせた計測を行うなど計測方法も多様化しているため、正しい方法で計測し効果が見えるようにすれば、テレビCMに効果がないとは言えないのではないでしょうか。
テレビCMの効果が出にくいと言われる4つの理由
テレビCMの効果が出にくいと考えられる理由について、4つのことが挙げられます。詳しく見ていきましょう。
定量的な効果測定がしにくい
前述のように、テレビCMに求められる効果は認知度アップや信頼性向上など、数値化して測定するのが難しいものが多いです。そのため、効果が本当にあったのかどうか可視化しにくいことから、効果が出ていないのではと考えてしまいやすいのです。
制作コストがかかりすぎる
テレビCMは、制作にも放映にもコストがかかります。費用対効果を考えたとき、売上を上げてもそれ以上にテレビCM制作・放映のコストがかかってしまっては本末転倒と言えるでしょう。このように、かけたコストに対して得られた効果が釣り合っていないとき、効果が得られていないと考えやすいです。
ロケの有無やタレントの起用などで制作費用が大幅に変わってくるため、予算を踏まえてプロへ相談するのが安心でしょう。
ターゲットとマッチしていない
テレビを見ている層はまだまだ多いものの、ターゲット層によっては流し見やながら見をしていて、テレビ番組は見ていてもテレビCMを見ていないことも多いです。また、流す時間帯や番組がターゲット層とマッチしておらず、あまり興味を持たれないだけということもあります。ターゲットにマッチした広告を流すことが重要です。
このように、効果を期待するターゲット層にリーチできないことも、テレビCMで効果を得られないと考えやすい理由の一つです。
CM内容に問題がある
うまく商品やサービスまで誘導できていない、伝えたいことがまとまっていないなど、そもそもCMの内容に問題があって本当の意味で効果が出ない場合もあります。このような場合は、クリエイティブから見直す必要があるでしょう。
こちらは自社の目的を明確に設定する必要があります。テレビCMを検討する際には、どんなターゲットに何を伝えたいか、目的は何かを社内でじっくりと話し合いましょう。
効果が出にくいと言われるけどテレビCMを行う理由
実際に、テレビCMにはこれまでも効果がないというわけではなく、効果的なところも多いという考えもあります。
認知度アップ、購買意欲の喚起、信頼性向上
例えば、マスメディアとしての認知度アップ、購買意欲の喚起、商品・サービスに対する信頼性向上などがテレビCMの効果として取り上げられています。これらの効果は具体的に数値化しにくいため、効果が見えにくいことから効果がないと考えてしまいやすいのです。
実際にテレビCMで成功したと言われている企業もあります。下記記事は成功事例をご紹介した記事です。
下記はテレビCMの効果について詳しく解説しています。
テレビCMの残存効果も効果として期待できる
放映後に現れる持続的な効果のことを「残存効果=アドストック(AdStock)」と呼びます。
残存効果が期待できる期間は商材によって異なります。例えば、後からじわじわ効いてくるテレビCMと、ワッと盛り上がるけれど冷められやすいテレビCMでは残存効果が異なると言えるでしょう。テレビCMはCMの放映直後の効果だけではなく、残存効果も合わせて考えるべきものとなります。
現在主流の効果測定方法
現在、主流となっているテレビCMの効果測定方法は2つあります。
GRP
GRPとは「グロス・レーティング・ポイント」のことで、日本語で「延べ視聴率」を意味します。CMが放送された時間帯や番組における視聴率を調べ、どのくらいCMを見た人がいるのかを測定するという数値です。GRPは「平均視聴率×放送回数」で計算され、一般的にGRPの数値が高ければ高いほど効果的なテレビCMだと言われています。
しかし、GRPでは前述のようにテレビを流し見しながら他のことをしている層がいて、テレビCMを見ていなかったとしてもわかりません。そのため、GRPはざっくりとした目安にはなるものの、GRPを鵜呑みにはできないと指摘もされています。
GAP
GAPとは「グロス・アテンション・ポイント」のことで、日本語で「延べ注視量」を意味します。CMが流れた際、実際に画面を見ていた視聴者の数を測定するという数値で、GRPで調べられなかった「実際に画面を見ている人の数」がわかるため、GRPと比べてより確実にテレビCMを見ているかどうかで効果を測定できると考えられています。
テレビCMの効果測定について詳しく知りたい方はこちら
その他の効果測定方法
テレビCMに関するその他の効果測定方法として、WEBへの流入数を調べる方法、購入や問い合わせと照らし合わせる方法、アンケートをとる方法の3つがあります。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
WEBへの流入
WEBサイトへの流入数で、テレビCMの効果を検証する方法もあります。
例えば、テレビCMの放映後、企業名や商品・サービス名でどのくらい検索されたか、WEBサイトを実際閲覧した、資料のDL数が増えたなどが効果測定に有効だと考えられます。また、SNSに投稿された意見やハッシュタグによるリアルタイムな視聴者の声を分析し、効果を考えることも可能です。
購入や問い合わせ
テレビCMを見た後で、実際に商品やサービスの注文数が増えたかどうか、購入につながらないまでも、問い合わせが増えたかどうかなどで効果を測定する方法もあります。
アンケート
商品・サービスをどこで知ったか、CMについてどんなイメージを持ったかなどアンケートを行う方法です。
アンケートは原則として定量的なものよりも定性的な効果測定になりますが、「どこで知ったか」の項目に「テレビCM」が多ければ効果的だったと考える、というように定量的な分析の仕方もあります。
新しい効果測定指標「PRP」とは
PRPとは、パーソンズ・グロス・レーティング・ポイントの略で、「個人視聴率」のことです。視聴率には個人視聴率と世帯視聴率があり、それぞれ以下のように異なります。
- 個人視聴率…テレビを見ている個人がどのくらいいるのか計測したもの。
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世帯視聴率…ある世帯において、テレビが放映されたかどうか計測したもの。
個人視聴率と世帯視聴率は測定方法によって計算できるものが異なります。一家にテレビが一台だった時代には世帯視聴率の方が有効でしたが、近年、一家に二台以上テレビがあるのは珍しいことでなくなりました。そのため、現在では世帯視聴率よりも個人視聴率の方が時代に即していると考えられています。
新取引指標「P+C7」とは
テレビCMにはスポットCMとタイムCMの2種類があり、スポットCMの取引指標として2022年4月から「P+C7」という指標が使われています。
Pとは「Program rating」のことで、日本語で「番組平均視聴率」のことを指します。また、C7とは「Commacial raing+7日間内再生」のことを表し、7日間内のCM枠平均視聴率のことを言います。この新しい取引基準において、視聴率の計算は個人が大きくクローズアップされることになりました。
まとめ
テレビCMの効果は定量的に測定しづらいことから、効果がないと思われてしまいがちです。他にも制作コストがかかりすぎている、そもそもターゲット層と合っていない、クリエイティブに問題があるなどの要因も考えられます。
テレビCMの効果測定には長くGRPが使われてきましたが、GAPや新しいPRPなどの指標も生まれています。他にもWEBへの流入や購入数・問い合わせ数、アンケートなどで測る方法もあります。CMに合った測定方法でテレビCMの効果を可視化しましょう。