マス広告の基礎知識! メディアの種類と出稿のポイントとは
マス広告は、不特定多数の人に情報発信を行える広告媒体です。2021年には、デジタル広告の市場規模がマス広告を上回りましたが、いまだ安定した市場を維持し続けています。
企業のマーケティング部門や広報部門の担当者のなかには、「マス広告とはどのようなものか」「効果的に活用するポイントはあるか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、マス広告の概要やデジタル広告との違い、媒体の種類、出稿する際のポイントについて解説します。
マス広告とは
マス広告とは、マスメディアに分類されるテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4媒体を用いた広告を指します。“マス(mass)”には“大衆”という意味があり、不特定多数の人に向けて一斉に情報発信を行えることが特徴です。
マス広告の対称となる広告媒体に“デジタル広告”がありますが、活用の目的やターゲットが異なります。
▼マス広告とデジタル広告の違い
マス広告 |
デジタル広告 |
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媒体 |
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌 |
Webサイト・検索エンジン・SNS など |
主な出稿目的 |
認知の拡大 |
購買行動の促進 |
ターゲット |
不測定多数の視聴者・読者 |
特定の属性や行動履歴によって分類したユーザー層 |
デジタル広告は、インターネット上の媒体で広告を展開します。ユーザーの属性や行動履歴などのデータを用いて特定のターゲット層にアプローチを行えるため、認知の拡大や購買行動を後押しするのに適しています。
一方のマス広告は、マスメディアを利用する大規模な層へ一斉に広告を展開することが可能です。多くの視聴者・読者に接触しやすいことから、企業名・商品名などの認知拡大に有効といえます。
マス広告の種類
マス広告の媒体によってそれぞれ長所・短所があります。出稿目的や商品の特性などを踏まえて、どのような訴求方法が適しているかを検討することが重要です。
➀テレビCM
テレビCMは、テレビ番組の放送中や前後に流れる広告です。
内閣府の『消費動向調査』によると、2024年3月末の時点でカラーテレビの普及率は96.0%となり、大きな影響を持つ主要なメディアとなるため、年代・性別を問わず一度に多くの視聴者にリーチすることが可能です。
継続的にテレビCMを配信すれば視聴者の記憶に残りやすくなり、企業・商品のイメージ構築につながることも期待できます。
▼テレビCMの長所・短所
長所 |
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短所 |
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なお、テレビCMの効果や出稿形態の種類については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
出典:内閣府『消費動向調査 令和6年3月実施調査結果』
②ラジオCM
ラジオCMは、ラジオ番組の合間・前後に流れる広告です。
特定のラジオ番組を習慣的に視聴するコアなリスナーや作業中・移動中・運転中にラジオを“ながら聴き”している層に情報を届けられます。
また、ラジオ番組のファン層や時間帯、配信地域などを踏まえて、ターゲットとする視聴者層を絞りやすいことも特徴といえます。
▼ラジオCMの長所・短所
長所 |
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短所 |
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③新聞広告
新聞広告は、新聞の広告枠に掲載される広告です。
総務省の『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、マスメディア4媒体のなかで情報の信頼度がもっとも高いのが新聞という結果が報告されており、特に40~60代でその割合が高くなっています。
また、新聞の閲読率は年代が上がるとともに行為者率が高くなっているため、中高年層にリーチしやすい媒体といえます。
▼新聞広告の長所・短所
長所 |
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短所 |
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出典:総務省『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
④雑誌広告
雑誌広告は、雑誌の誌面・裏表紙や記事内に掲載する広告のことです。
雑誌にはさまざまなジャンル・テーマがあることから、新聞広告と比べて読者層を絞りやすくなります。自社商品と親和性のある雑誌に広告を掲載すると、読者の興味関心を引きやすくなることが期待できます。
裏表紙や目次ぺージの裏などに掲載する“純広告”と、記事内のコンテンツとして広告を掲載する“タイアップ広告”の2種類があります。
▼雑誌広告の長所・短所
長所 |
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短所 |
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マス広告の費用相場
マス広告の費用相場は、媒体や出稿方法、エリアなどによって変動します。目安となる費用は、以下のとおりです。
▼マス広告の費用相場
媒体 |
費用相場 |
テレビCM |
数百万~数千万円程度(制作費用+放映費用)(※1)
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ラジオCM |
2万~8万円程度(20秒)(※2)
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新聞広告 |
100~300万円程度(1段当たり)(※3)
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雑誌広告 |
80~250万円程度 |
なお、テレビCMの放映にかかる費用の詳細については、こちらの記事をご確認ください。
※1…関東キー局の場合
※2…関東キー局の場合
※3…主要新聞全国版の場合
マス広告を出稿する際のポイント
マス広告を出稿する際は、出稿目的やターゲット層に合わせて媒体・出稿方法を選定するとともに、デジタル広告と組み合わせて運用することがポイントです。
➀目的やターゲット層に合わせて媒体・出稿方法を選ぶ
マス広告を出稿する目的や自社のターゲット層に合わせて、媒体・出稿方法を選ぶことが重要です。
マス広告の種類によってリーチできる規模やアプローチの方法が異なります。費用対効果を高めるには、ターゲット層への露出を効果的に行える媒体・出稿方法を選ぶ必要があります。
▼媒体・出稿方法を選ぶ際に検討するポイント
マス広告の種類 |
検討するポイント |
テレビCM |
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ラジオCM |
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新聞広告 |
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雑誌広告 |
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②デジタル広告と組み合わせる
マス広告の効果を最大限に高めるには、デジタル広告と組み合わせて運用することもポイントの一つです。
デジタル広告と組み合わせると、ターゲット層に効率的にリーチできるようになります。また、複数の媒体でアプローチを行うことで、認知の獲得から購買意欲の向上、購買行動に至るまでのプロセスをスムーズに後押しできます。
▼マス広告とデジタル広告を組み合わせた活用例
- テレビCMとSNS広告の両方で新商品の宣伝を行う
- 商品のWebサイトにテレビCMを掲載する
- ラジオCMで「詳細はSNSをチェック」というメッセージを加える など
まとめ
この記事では、マス広告について以下の内容を解説しました。
- マス広告とデジタル広告の違い
- マス広告の種類
- マス広告の費用相場
- マス広告を出稿する際のポイント
マス広告は、不特定多数の視聴者・読者にアプローチを行えることから、企業名・商品名の認知拡大に有効といえます。媒体の種類によって長所・短所があるため、目的やターゲット層に合わせて媒体・出稿方法を選ぶことが重要です。
また、デジタル広告と組み合わせて複数のメディアで情報発信を行うことにより、効率的なリーチが可能になるほか、購買行動を促進しやすくなります。
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