【マーケティングの基礎】マス広告の効果測定の方法を紹介
テレビやラジオ、新聞広告などのマス広告で、自社商品・サービスの広告を出稿する場合は、マーケティングの基本である効果測定を行います。広告は出稿して終わりではなく、その後の効果測定を行うことが、今後の広告の効果を高めるためにも重要です。
本記事では、広告の運用・管理を担当されている方に向けて、マス広告の効果測定方法を媒体別に紹介します。
目次[非表示]
- 1.広告効果とは
- 2.マス広告の効果測定方法
- 3.デジタル広告の効果測定方法
- 4.効果的に広告運用するには
- 5.まとめ
広告効果とは
広告効果とは、広告を出したことによって認知度や売り上げにどの程度影響があったのかを数値化・可視化することを指します。
広告効果は主に、接触効果・心理効果・売上効果の3つの種類に分けられます。
①接触効果
接触効果とは、自社製品やサービスの認知度を高める効果のことです。認知度が上がると、消費者の目にとまりやすくなり、結果として売り上げアップにつながります。
消費者は、多くの商品のなかから物を購入する際、自分がよく知っている商品を選ぶ傾向があります。自社の商品を選んでもらうためには、広告を通して消費者の目にとまる機会を増やすことが効果的です。
②心理効果
心理効果は、自社製品やサービスへの理解を深める効果のことをいいます。
広告を出す際は、消費者に商品の特徴や魅力を伝えて理解を深めてもらう必要があります。自社製品やサービスを理解してもらうことで、好感度や売り上げアップのきっかけづくりにつながります。
③売上効果
売上効果は、購入のアクションにつながる効果のことです。
消費者は、商品を知りその内容も理解したうえで、初めて購入するというアクションを起こします。購入してもらわなければ利益は生まれないため、広告が商品やサービスの売り上げにどのくらい直結したのかを数値化して、広告の内容を改善していくことが大切です。
マス広告の効果測定方法
マス広告の効果測定方法は、媒体によって異なります。ここでは、各媒体の効果測定方法を紹介します。
テレビCM
テレビCMの効果測定では、放送時の一定期間の世帯視聴率を合計した数値であるGRP(Gross Rating Point:延べ視聴率)または個人視聴率の合計値であるPRP(Persons Gross Rating Point:個人視聴率)を使用します。
ただし近年は、PRPを指標にすることが主流になっています。
▼GRPとPRPの違い
GRP |
PRP |
|
求め方 |
世帯視聴率×CM本数 |
CM枠の発注金額÷P+C7(※)(%) |
例 |
世帯視聴率5%×CM5本=25GRP |
150万円÷5%=30PRP |
これらの数値は、テレビCMに広告を出す前にどのくらいの頻度でCMを流せば効果が出るのかを決める指標としても使えます。
※PはProgram Rating(番組視聴率)、C7は7日間以内のCM平均視聴率のこと。
ラジオ広告
ラジオ広告の効果測定はGRPを使います。テレビCMの視聴率は世帯単位で測定しますが、ラジオ広告では“聴取率”と呼ばれて、個人単位で測定します。
ラジオ広告の場合、GRPという指標はありますが、正確に測定することが難しいため、商品・サービスを知った広告媒体のアンケートを行い、GRPと併せて効果測定を行う企業もあります。
紙媒体広告
新聞や雑誌などの紙媒体は、CPR(Cost Per Response:顧客のレスポンス1件当たりの費用)という指標を用いて効果測定を行います。
CPRは、“コスト÷レスポンス件数”で求めます。たとえば、10万円の広告費をかけた宣伝に対して100件の反応があった場合のCPRは、コスト10万円÷レスポンス100件=1,000円になります。
CPRが安ければ安いほど広告の効果が出たことになり、高ければ悪化していると捉えることができます。また、この数値を用いることで、広告による費用対効果を割り出すことも可能です。
デジタル広告の効果測定方法
マス広告は不特定多数の消費者へ情報を伝えられる一方、ターゲットではない人にも情報が届くため、直接利益につながるとは限りません。
そこで、リスティング広告やディスプレイ広告といった、デジタル広告を出稿する方法もあります。
デジタル広告の効果測定には、“Imp(impression)”“CTR(Click Through Rate)”“CVR(Conversion Rate)”の3つの指標を用います。
▼3つの指標の求め方
指標 |
概要 |
指標の求め方 |
Imp(impression) |
広告が表示された回数 |
PV数×Webページに表示されている広告掲載数 |
CTR(Click Through Rate) |
広告が表示された人のうち、広告をクリックした人の割合 |
クリック数÷Imp(表示回数) |
CVR(Conversion Rate) |
広告を見たユーザーが実際に商品を購入した割合 |
コンバージョン数÷セッション数×100% |
効果的に広告運用するには
広告運用の際は、ターゲットにアプローチできる広告媒体を選ぶことが大切です。
マス広告は、年齢層や性別に関係なく多くの消費者に情報を届けられます。しかし、広告を見ているのが不特定多数のため、効果測定が難しいという側面があります。
一方、デジタル広告は、インターネットをあまり活用しない世代への訴求ができないため、マス広告とデジタル広告のどちらか一方に偏るのではなく、適切に組み合わせたり、使い分けたりすることも大切です。
広告の種類について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
この記事では、マス広告の効果測定について以下の項目で紹介しました。
- 広告効果とは
- マス広告の効果測定方法
- 効果的に広告運用するには
マス広告を出稿する際は、効果測定が欠かせません。
あらかじめ媒体ごとの効果測定方法を押さえておけば、スムーズに広告運用を進めることができます。また、広告媒体へ出稿する際は、自社製品・サービスのターゲットに効果的に訴求できる媒体の選定が重要です。
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広告の訴求軸については、こちらでも解説しております。