周年事業の一つである社史とは?社史を作るメリットを紹介!
企業の周年事業をきっかけに、その施策の一環として社史を制作し発行することがあります。社史とは一体、どのようなものなのでしょうか。本記事では、企業が社史を制作する目的や社史を制作するメリットなどをご紹介していきます。
■あわせてよく読まれている資料:「失敗しない!周年事業のポイント」
社史とは?
社史の多くは、周年事業をきっかけとして、企業の過去を振り返るだけでなく、企業がこれから迎える新たな未来に活かすために制作されます。
この社史には、自社が創業から現在までの間に変遷してきた商品やサービス、携わってきた事業内容、社屋の変遷、社内のかつての様子などを時系列に記載することが多くなっています。
読まれる社史を作ろう
「社史を作っても読む人なんかいないのでは…」「社史を発行する意味はあるのだろうか…」と考える人もいるかもしれません。 たしかに、1980年代から90年代にかけて多く発行された社史は、読みづらく面白味も少ないものが多くありました。当時の社史の多くは、企業の歴史を忠実に記録し後生に伝えることが目的であり、多くの人に読んでもらうことを考えて作られていなかったからです。
しかし近年の社史は、単なる「企業の歴史を記録した書物」から「企業の未来を築くためのツール」へと変貌しており、社員教育やIRなどに活用されるようになっています。さまざまな人に読まれることも想定して作られており、社員はもちろんのこと、顧客や株主、自社への入社を志望する学生など、会社に関わるあらゆる人の目に触れることも考えられています。
そのため社史を制作するためには、それぞれの利害関係者にもたらす効果を知る必要があります。その上で、社史を編纂する目的を絞り込んでいきましょう。
社史を作る目的は?
社史を作る目的は大きく分けて以下の5つとなります。
1つめの目的は、自社の過去を学ぶことで自社の未来へと活かすためです。このことが社史を作る最大の目的と言えます。
自社を創業した背景や創業期の苦労、情熱などのほか、これまでの歴史で自社に降りかかってきた困難を乗り越えた工夫、自社の事業にかける熱い思いなどといったエピソードを社史で伝えていくことで、未来に対してさらなる一歩を踏み出すことができます。
2つめの目的は、社員に自社と自社の仕事を好きになってもらうためです。現在まで勝ち残ってきた自社の歴史は、顧客や社会から選ばれ続けてきた歴史でもあります。社内での教育や研修のための資料として、社史は欠かせないツールとなります。
3つめの目的は、自社の関係者であるステークホルダーとの絆を深めるためです。社史は、社員だけでなく、取引先や関係各社、顧客、自社への入社を志望する学生などが読むこともあります。現在までの自社の存続に対して感謝の気持ちを伝えることで、絆を深めていきましょう。
4つめの目的は、企業の一体感を高めるためです。社史をきっかけに、社員が自社のことを改めて関心や興味を持つことも多くあります。一体感を高めるツールとしても社史を利用しましょう。
5つめの目的は、企業のPRのためです。自社の存在意義を見直し、世の中に対して分かりやすく伝えることで、社会からも共感を得ることができます。
自社のことを、さまざまな人たちに知ってもらうことができる社史を作ることでメリットもあります。
社史を作るメリット
社歴が長ければ長いほど、社史の制作には苦労が伴います。しかし、その苦労を乗り越えて社史を作り上げることで多くのメリットを得ることができます。
自社PRにつながる
かつてと比べ現在は、社史をさまざまな人に読んでもらえる環境が整っています。そのため、社史は企業のブランディングツールとしても有効となりますし、自社のPRにも活用できます。 自社の成長過程やこれまでの事業内容を紹介した社史であれば、自社のPRに使うことで広報にも活用できます。
同時に、入社を志望する学生に対して自社の創業の想いや自社の商品やサービスに対する想いを社史で伝えることで、採用活動にも役立てることができるでしょう。
社員の意識向上
また、自社の歴史を社史として形に残すことで、現在、在籍している社員だけでなく、これから入社する新入社員に対しても自社のことを語り継いでいくことができるようになります。
そのほか社史には、自社に対する社員の認識を深め、自社の事業に対する参画意欲を高めることができます。そのことで、社員としての意識向上にもつながります。
ワールドワイドに事業展開している企業であれば、社史を英語版で発行することで、海外拠点に在籍している社員に対しても自社のことをより理解してもらえるツールとなります。
社史に自社の過去のエピソードなど面白味を入れることで、「我が社も昔はこんなことがあったのか!」といった意外な発見を伝えることもできます。それを社員だけでなく、社員の家族も読むことで会社への興味が広がり、人と人とをつなぐ役割も担えるでしょう。
まとめ
今や社史は、「発行してもほとんど読まれない、単なる企業の歴史紹介書」ではありません。自社の社員に向けたモチベーション向上や教育などの役割を持つほか、ステークホルダーや新しい顧客に向けた企業のブランディングやマーケティングなにもなり得る戦略的ツールだと言えます。