音声広告とは。今注目される理由や特徴、効果的な活用例
近年、若年層を中心にテレビの視聴時間が減少している一方で、全世代におけるインターネットの利用時間は増加しています。そうしたなか、効果的な広告媒体として企業に注目され始めているのが“音声広告”です。
企業のマーケティング部門や広報部門の担当者のなかには、「音声広告がなぜ注目されているのか」「どのような活用方法があるのか」など気になる気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、音声広告の概要や注目される理由、効果的な活用例について解説します。
目次[非表示]
- 1.音声広告とは
- 2.音声広告が注目される背景
- 2.1.デジタル音声機器の普及
- 2.2.音声メディアの拡大
- 3.音声広告が持つ4つの特徴
- 3.1.➀スキップされにくい
- 3.2.②日常生活に寄り添ったアプローチができる
- 3.3.③認知度や純粋想起を高められる
- 3.4.④ターゲティングによる配信ができる
- 4.音声広告の活用例
- 4.1.➀インターネット経由を含むラジオ
- 4.2.②音楽ストリーミングサービス
- 4.3.③音声配信プラットフォーム
- 5.まとめ
音声広告とは
音声広告とは、ラジオやストリーミングサービスなどの音声メディアを利用して配信する広告のことです。
なかでも音楽配信・音声配信サービスのようにオンラインで利用する音声メディアを用いた広告は、“デジタル音声広告”“オーディオアド”などとも呼ばれます。
音声メディアのリスナーに自社の商品やブランドなどの情報を発信することで、興味関心を高めて購買行動を促す目的があります。
音声広告が注目される背景
音声を使って視聴者にメッセージを伝える広告手法は、これまでラジオCMが主流とされていました。しかし、デジタル音声機器や音楽・音声配信サービスが登場したことにより、デジタル形式で配信する音声広告の活用が進んでいます。
デジタル音声機器の普及
2023年におけるスマートフォンの世帯保有率は90.6%に到達しており、多くの人がインターネットサービスを利用できる環境となっています。
▼情報通信機器の世帯保有率
画像引用元:総務省『令和6年版 情報通信白書』
また、スマートフォンに接続して音声コンテンツを視聴できるスマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなどが登場したことで、自宅のみならず通勤・通学中や散歩中などのさまざまな場所で手軽に音声コンテンツを視聴できるようになりました。
このような理由から、音声メディアのユーザーに向けた音声広告の活用が進んでいると考えられます。
出典:総務省『令和6年版 情報通信白書』
音声メディアの拡大
出稿媒体となるさまざまな音声メディアが登場していることも、音声広告が注目されている理由の一つです。
近年、サブスクリプション型サービスの登場やコロナ禍に伴う在宅時間の増加などを背景に、音楽配信サービスの市場が拡大しています。
▼音楽配信サービスの市場規模
画像引用元:総務省『令和6年版 情報通信白書』
また、ユーザー自身が音声コンテンツを配信して共有するプラットフォームも登場しており、音楽の視聴だけでなく多種多様なテーマの音声コンテンツを楽しめるようになっています。
このように音声メディアを介した出稿媒体の選択肢が広がったことから、音声広告をマーケティング戦略に用いる企業が増えていると考えられます。
出典:総務省『令和6年版 情報通信白書』
音声広告が持つ4つの特徴
音声広告は、音声コンテンツを視聴している合間に流れる仕組みとなるため、最後まで視聴されやすく、記憶に残りやすい特徴があります。
➀スキップされにくい
音声広告は、音声コンテンツを“ながら聞き”をしているときに配信するため、途中でスキップされにくいと考えられます。
動画広告のように視覚情報を提供する場合と比較して、聴覚情報は聞き流しができることから、抵抗を感じにくく広告内容に興味がなくても最後まで視聴してもらいやすくなります。
②日常生活に寄り添ったアプローチができる
音声広告は、音声コンテンツに触れられる日常生活のあらゆるシーンでアプローチを行えることが特徴です。
テキストや動画のコンテンツでは、目で見て情報を受け取る必要があることから、日常生活のなかでメディアと触れる時間が限られてしまいます。
これに対して音声コンテンツは、家事や通勤・通学、エクササイズなどのほかのことをしながら情報を受け取れます。ライフサイクルの一つとして継続的にメッセージを届けることが可能です。
③認知度や純粋想起を高められる
ターゲットとなるリスナーに対して、継続的にブランドのメッセージを伝えることで、認知度や純粋想起を高められます。
音声広告では、サウンドロゴやBGM、キャッチフレーズなどを繰り返して聴覚にアプローチすることが可能です。
印象的な音声広告はリスナーの耳に残りやすくなるほか、「○○の商品といえば○○」といったようにブランドの想起を高められます。
④ターゲティングによる配信ができる
音声広告のなかには、リスナーの属性や行動に関するデータを収集して、配信する広告の内容をカスタマイズできるタイプがあります。
年齢・性別や視聴中の音声コンテンツなどを踏まえて、リスナーの興味関心・共感を獲得しやすいメッセージを訴求することが可能です。これにより、広告効果を高められるほか、企業や商材に対する好印象にもつながります。
音声広告の活用例
音声広告は、ラジオをはじめとするさまざまな音声メディアを用いて配信することが可能です。
➀インターネット経由を含むラジオ
ラジオ番組の合間に音声広告を配信する方法です。
出稿媒体には、電波を経由したラジオのほかにも、インターネットを利用して全国のラジオ番組を視聴できるサービス(インターネットラジオ)があります。
特定の時間帯で習慣的にラジオ番組を視聴する人や、ラジオ番組のファン層などに向けて音声広告による情報発信を行えます。
なお、ラジオCMについてはこちらの記事で解説しています。
②音楽ストリーミングサービス
音楽ストリーミングサービスは、スマートフォンやタブレットなどを用いてオンラインで音楽を視聴できるサービスです。
楽曲と楽曲の間に音声広告を流すことができ、ユーザーの年齢・性別・視聴している音楽のジャンルなどからターゲティングを行える仕組みとなっています。
音楽の視聴中はほかの作業をしているユーザーも多いと考えられるため、尺が長めの広告でもスキップされにくいといえます。しかし、配信サービスの料金形態によってはスキップできないものもあり、受動的に広告を聞くユーザーも多いと考えられます。
③音声配信プラットフォーム
音声配信プラットフォームは、ユーザーが音声コンテンツの視聴・配信を行えるサービスです。さまざまなジャンルに特化したプラットフォームやチャンネルがあるため、アプローチしたいターゲットに合わせて出稿媒体を選定できます。
▼音声配信プラットフォームのジャンル例
ジャンル |
テーマ |
ライフスタイル |
趣味、美容、料理、ファッション、子育て など |
ビジネス |
経済ニュース、キャリア、投資、経営 など |
健康 |
ヘルスケア、ダイエット など |
スポーツ |
野球、サッカー、バスケットボール など |
学習 |
経済、歴史、語学、エネルギー、自然 など |
文化・エンターテインメント |
音楽、本、映画、アニメ、漫画、ゲーム など |
まとめ
この記事では、音声広告について以下の内容を解説しました。
- 音声広告の概要
- 音声広告が注目される理由
- 音声広告が持つ4つの特徴
- 音声広告の活用例
スマートフォンをはじめとするデジタル機器の普及や、インターネット経由で視聴できる音声メディアの拡大などによって、音声広告の活用が進んでいます。
ただし、音声だけではターゲットに対して十分な情報提供ができない可能性もあります。音声広告の強みを生かしつつ、伝えたい情報を分かりやすく届けるには、テキストや動画を用いた広告も組み合わせて運用することが重要です。
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