広告業界でAIの導入が進む! 実用化されている活用例とは
デジタルテクノロジーの発展により、人間の知的活動を再現する“AI(人工知能)”が企業活動や日常生活に広く取り入れられるようになりました。
なかでも“生成AI”は、これまで人が行ってきた文章・画像の生成といった創造活動を自律的にこなすことができる革新的な技術として、広告・マーケティングの分野にも大きな変革をもたらしています。
企業のマーケティング部門や広報部門の担当者のなかには「広告運用にAIを導入して何ができるのか」「どのような場面で活用できるのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、広告運用にAIを導入して行えることや実用化が開始されている活用例、AIを活用するメリット・デメリットについて解説します。
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広告運用にAIを導入して行えること
AIを導入すると、人が行っていた広告運用の作業を効率化して、データ分析によって効果的な施策を導き出すことが可能です。広告運用で活用されるAIには、大きく2つの種類に分けられます。
▼広告運用に活用されるAI
種類 |
概要 |
行えること |
AI
(従来型)
|
学習させたデータを機械学習により 分析して、傾向・パターンを抽出する |
|
生成AI |
ディープラーニング(深層学習)により、
与えられた情報を基に広告素材を自動で生成する
|
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広告運用にAIを導入すると、ユーザーの属性や行動履歴などのデータを分析して、ターゲットに対して効果的な配信方法を導き出すことが可能です。また、AIが運用実績を評価・分析することで、適切な入札単価や予算配分に自動で設定できるようになります。
生成AIを導入すると、事前にデータを学習させることなく、与えた情報を基にAIが広告素材のアイデアをアウトプットしてくれます。人にしかできない0から1を生み出す創造的な作業を任せられるため、クリエイティブ制作にかかる時間の短縮を図れます。
実用化が開始されているAIの活用例
AIを活用すると、広告運用の精度向上や効率化を図ることが期待できます。ここからは、実用化が開始されているAIの活用例を紹介します。
➀AI顔認証によるデジタルサイネージ広告の運用
百貨店やスーパーマーケット、ドラッグストアなどに配信するデジタルサイネージ広告に、AI顔認証を用いたシステムが活用されています。AI顔認証とは、人の動きや目線などをカメラ・センサーで測定して、AIが来場者の反応を分析する技術です。
デジタルサイネージ広告にAI顔認証を導入することで、「広告が見られた時間・回数はどのくらいか」「どのような属性の来場者が広告を見ているか」などを把握でき、配信コンテンツの見直しにつなげられます。
②AIモデル・AIタレントを活用したクリエイティブ制作
画像生成AIの技術を用いると、広告素材のクリエイティブ制作において、AIによって生成した架空のモデル・タレントを活用することが可能です。
実際のモデル・タレントを起用して撮影することなく、広告のイメージや人物像の特徴などの条件を基に人物画像を生成して、バナー・ポスター・フライヤーなどのデザインに活用できます。
これにより、実際のモデル・タレントを起用する契約費用を抑えられるほか、クリエイティブ制作にかかるコスト・時間の削減につながります。
③運用実績のパフォーマンス分析
運用型広告で管理している膨大かつ複雑な運用実績データを基に、AIによるパフォーマンス分析を行えるツールが登場しています。
AIによって自動でレポートの作成を行えるほか、運用実績データのなかから傾向や数値の変動要因などを抽出して、戦略の改善策を提示してくれます。人が行っていたレポートの作成や考察を自動化することで、分析精度の向上、運用負担の削減を図れます。
④広告の自動配置
SNSやアプリケーションの広告キャンペーンを一元管理して、AIによってコスト効率が高い出稿先に自動で配置を行うシステムがあります。
複数の媒体においてWeb広告の配置を最適化することで、予算を効率的に配分できるようになるほか、広告の露出効果を高められます。
広告運用にAIを活用するメリット
広告運用にAIを活用するメリットには、以下が挙げられます。
▼メリット
- クリエイティブ制作のコストを削減できる
- 独創性のある広告コンテンツを生成できる
- 分析精度の向上によって効果的な広告運用を行える など
生成AIを活用すると、入力した指示に沿って広告素材の人物・画像・イラスト・背景・テキスト・キャッチコピーなどが自動で生成されます。クリエイティブ制作にかかる時間・労力を削減して、コストの削減を図れます。
また、アウトプットされた情報を用いることで、クリエイターが新たな発想を創出したり、より訴求力の高い表現を生み出したりして、独創性のある効果的な広告コンテンツを作成できます。
さらに、AIの活用により、膨大な運用実績データを分析して短時間で傾向や関連性を導き出せるようになります。手動で分析・評価を行う場合と比べて、ターゲティングの精度向上や予算配分の最適化につなげることが可能です。
広告運用にAIを活用するデメリット
広告運用にAIを取り入れる際には、デメリットについても理解しておくことが重要です。
▼デメリット
- 最新のトレンドを取り入れることは難しい
- 著作権に関するリスクがある など
AIによる分析やクリエイティブの制作は、過去のデータに基づいてアウトプットが行われます。常に変化する市場のトレンドをリアルタイムに反映させることは難しいため、人による情報収集が必要となります。
また、生成AIを用いてクリエイティブを制作する際には、著作権の侵害リスクがあります。生成物が既存の著作物と類似していないか確認するとともに、既存の著作物を基に生成AIによる加工・修正を行わないように注意が必要です。
まとめ
この記事では、AIを用いた広告運用について以下の内容を解説しました。
- 広告運用にAIを導入して行えること
- 実用化が開始されているAIの活用例
- 広告運用にAIを活用するメリット・デメリット
広告運用にAIを活用すると、膨大なデータを分析してパフォーマンスの評価や配置の最適化を行ったり、自動で広告素材を生成したりすることが可能です。分析精度の向上や独創的なコンテンツ制作により、広告効果の向上が期待できます。
また、予算を最大限に活用して広告運用を行うには、マーケティング戦略の目的・ターゲットに合わせて複数の媒体を併用することも有効です。
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